タグ遊びそのに(仮)メモ

登場人物たち

霧さん( @fog )

 綺羅綺羅しい煌きが目に飛び込んできた。
 これは、硝子の破片だろうか?
 すみませんと、頭上から降ってくる声。
 見上げると、煉瓦造りのアパートの二階から顔を覗かせる少女がいた。
「お怪我はありませんでしたか?」
「ええ、大丈夫です」
 少女の手に握られている硝子ペン。
 よくよく地面を見ると、ブルーブラックと思しきインクが飛び散っていた。
 気になる。
 すごく、気になる。
 彼女は硝子ペンで、何を書いていたのだろう?

椅子さん( @stargazergarden )

 さて、困った。
 今回ばかりは、普通に困った。
 いくら猫が悪戯好きでも、まさかインク瓶を窓から落とすまいと思っていたのに。
 慌てて窓から身を乗り出すと、下にはちょうど、通行人もいる。
 一人だけというのは、この場合不幸中の幸いか。
 書きかけの手紙に文鎮を乗せて、改めて謝るために窓から身を翻す。
 この通行人に硝子ペンのことについて質問攻めにされる未来なんて、全く予想だにしなかった。

肖さん( @sefialecy )

 吾輩は猫である、なんて有名な言い回しがあるらしいが、今更吾輩だなんて気取った言い方をするつもりはない。
 コロコロとした小さなものの中に揺れる液体が気になったから、それを零そうとはしたが、窓から落とすつもりはなかった。
 通行人さえいなければ、こっそり時を巻き戻してなかったことにできたのに、非常に残念だ。
 ぱたり、と振った尻尾の先が分かたれていることを知るモノはあまりいない。

空代さん( @aksrtmg )

 ことの顛末を書いた手紙が届いて、目に浮かぶ情景に思わず笑みがこぼれた。
 慌てふためく少女の姿も、あーあと言わんばかりに額に手を当てる猫(?)の姿も、文字通りに文字から離れて手紙の上に浮かんでいる。
 いや、正確には、手紙に押された肉球拇印から浮かんでいる。
 さて、実はあのインクは少々特殊なのだ。
 また、新たなインク瓶を送ってやらねばなるまい。

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