タグ遊びそのご(仮)メモ

登場人物たち

椅子さん( @stargazergarden )

 ほっそりとした、白魚のような手に握られた羽ペンは、半分透き通るような白。
 白いローブに身を包んでいるが、職業は画家である。
 あんなにも鮮やかな景色を描き出すのに、本人の印象は無垢な白。
 いや、無垢な白だからこそ、周りの色との対比が際立つのだろう。
 白いローブの布地は紗のように薄く見えて、下の服がわからないところを考えると…。

藤村おとはさん( @fuji0108 )

 水都を隅々まで知り尽くす、ゴンドラ乗り。
 勿論、写真映えする場所も全て頭に入っている。
 趣味は、記念写真の隅っこにいつの間にかこっそりと写り込むこと。
 だがしかし、カメラを向けられると逃げ出す変な人。
 もしもこのゴンドラ乗りの写真を単体で撮れたなら、その人は水都一の情報屋の協力を得ることができるだろう。

春夏冬さん( @akinashi1224 )

 紅葉狩りに来た観光客。
 水都の外れに位置する見事な滝を写真に収めたいと思っている。
 滝に着くと、滝の絵を描いている先人がいた。
 全身真っ白な印象なのに、羽ペンで描かれる緻密な線はとても色鮮やか。
 思わずその絵描きの写真を撮ったら、何故か隅っこに謎の人影がダブルピースで写っていた。
 このダブルピースの人間、エムと見た。
 さて、どうやって特定して調教してやろうかと、思わず笑みが零れたが、まさか現像した写真で更なるヤバい人を発見することになるとは、その時は思いもしていなかった。

ようさん( @you )

 もう、天の川の季節は過ぎたか。
 水都の運河には、あまり星が映らなくなった。
 まあ、代わりに紅葉が鮮やかなわけだが。
 これでは、もう、日課も改めなければなるまい。
 運河を泳いで一周していては、紅葉まみれになってしまう。
 仕方ない。
 今後は、運河の底を歩いて一周するか。
 そう思い、竹筒を握りしめた。
 しかし、例年それも諦める理由があった筈だが……。
 超高速(時速50km)で迫りくる影に気付くのは近い未来の話。

ゆうき さくやさん( @SakuyaYuki )

 滝の麓で売店の売り子をしている。
 その服装は、何故か、年がら年中タキシードにシルクハット。
 しかも、ご丁寧に、ベネチアンマスクでその素顔は知れない。
 声はハスキーボイスだが、性別が特定しづらいため、男装の麗人と思ってアタックする男性数知れず。
 売店で売られている烏龍茶はとても美味しいと評判。
 ただし、偶に、そのお茶を飲んだ男性が行方不明になるという。
 消えた男性の行方やシルクハットの内側に隠された秘密を知るのは、水都随一の情報屋くらいだろう。

藤嶋ユウリさん( @Fujishima_5 )

 滝の麓で集合写真を代行して撮る写真屋さん。
 隅っこに移る謎の人影のことは、勿論よく知っており、むしろマブダチの勢い。
 実は人外に憧れがあり、部屋の中は人外フィギュアで溢れている。
 これだけ人外が好きなのに、身近に潜む人外に気付かない、不憫な人。
 洋風人外に憧れているから、無理もないといえる……のか?
 その日も呼び込みをしていたが、三脚を持ち込んだ旅行客は、別の旅行客を一生懸命に撮影していた。
 白いローブに身を包み、優雅に羽ペンを操る旅行客はまるで天使のようで、思わずストーキングしようかと考え始めてしまう。

こんぶ大豆さん( @konbudaizu )

 水都を陰で牛耳る河童一族の長。
 運河のテリトリーを毎年懲りずに荒らす竹筒を持った黒尽くめの人間については、一度肉体言語でよく話し合おうと考えている。
 その結果、時速50kmの速さで背後から腰タックルを狙って迫りくる、恐怖の代名詞となっている。
 この水都では、河童は意外といろんなところにいるので、気を付けた方が良い。
 そう、昨日まで人間だった彼が、いつの間にか河童の少女になっているかもしれないのだ……。

ものねこさん( @mono_or )

 星空を見上げて、溜息を一つ。
 また、秋になり、夜空の星が減ってしまった。
 星を作るのは、とても精神的にグサグサとくる仕事なのに。
 野太い悲鳴も嫌だし、それが変化していくのを聞くのはもっと嫌だ。
 しかし、いったん提出された河童の尻子玉を弄るのは、とても楽しい。
 なぜならば、可愛いものをより可愛く仕上げるのは、正義だからだ。
 声はどうでもいい。
 見た目が大事なのだ。

かまくらさん( @kamaku_la )

 手の中のスノードームを無造作に振る、と、中で星が落ちていった。
 ついでに、紅葉も運河を彩った。
 さてはて、中の妖怪たちは仕事が増えたことを嘆くだろうが、今からまた、大量の『妖怪予備軍』を送り込まねばならないのだ。
 代わりに、見目麗しくなった妖怪たちを天国に召し上げなければならないし、本当に中間管理職は面倒なものだと、再びスノードームを揺らした。

くろさん( @Kuro_create )

 今日も地獄は人で溢れかえっている。
 これでも、かつてに比べて地獄行きの人間は減ったのだ。
 何故なら、異空間に街を作り、そこで天国には行けないが地獄に行くほどでもない人間たちを預かてくれるようになったから。
 そのうちの一つ、通称水都から、受け入れを承諾する返事が届いている。
 この水都、確か男性ばかりを受け入れていたはずだ。
 よっこらせっと、かご一杯分の魂を水都の管理人に送り付けた。

瀬羅さん( @sera_yuru89 )

 ゆりかごに揺られているように、安らかな気持ちで目が覚めた。
 はて、ここはどこだ。
 周りを見渡すも、男性ばかりが目についた。
 心の癒し、幼女はどこへ。
 ぽちゃんと水音が響き、振り返った視界の隅に長い髪の毛が翻って消えた。
 おお、黒髪ストレートの、美幼女か!!
 覗き込んだ運河は、けれど舞い散る紅葉と反射する光とで奥底を覗かせなかった。

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