──それは唐突に現れる。
 犯罪に巻き込まれた人々を助ける正義の味方。
 いや、彼等自身が犯罪を犯す……。
 かの三人の実態は誰も知らない……。

レラ伝説(都市伝説編)

 レラ、その名が表すのは風。
 決して立ち止まらない……停滞は、終焉の始まりだから。
 滅多に姿を見せない……風の軌跡は、直接見られないものだ。

 一人は気紛れ、どこにでも現れる。自分が何をし、それが周りにどんな影響を及ぼしたか…。気にすることは、殆ど、ない。かの者は、風のように捕え処がない存在。
 一人は空の住人……風のように。軽々と宙を翔け、天を渡る。垣間見えるその姿は、深い色の翼を背に負う堕天使……。かの者は、風を追いかけ、夜に舞う存在。
 残る一人は姿を見せることさえ稀な、最も謎めいた電脳の支配者。痕跡すら思いのままに、誰にも捕らわれぬ一陣の風……。かの者は、ネットの架空世界を風のように駆け抜ける存在。

 ──レラ。存在だけを噂される風。
 逸話こそ数多くあるものの、その実態は未だに知られない存在。
 唐突に現れてはすぐに去りゆく彼等は、人の法には関心がないのかもしれない……。


Back