レラ伝説(人形編)

 レラ……それは、ある狂った科学者の生み出した悲しき人形達、その二つ名。
 若くして命を落としたその科学者の作品は多くなく、それぞれに順に番号を与えられたという。
 中でも興味深いのは、行方を眩ませた作品…『堕天使』と呼ばれたXI、『創造主』と呼ばれたXIIIだ。稀に見る安定性を誇った『堕天使』は、科学者を慕い続けてその最期を見届けたと言う。また、生涯12しか作品を発表しなかった科学者の最期の作品と思われる『創造主』の名の由来も気になるところだ。
 これらのデータは、人形が壊れてしまった時に作り直せるようにと記憶データを蓄積し続けるコンピューターから盗み出してきた情報だ。最近、そのコンピューターに新たなデータが入った。
 0──この番号を持つ作品はなかった筈なのに、最大の容量を占めるデータ番号。
 科学者は生きていたのだろうか?それとも誰かがレプリカを作ったのか?何故番号が0なのか?そして……呼び名がないのは?
 レラには未だ謎が多い。その答えを知る者はいなくなったというのに……


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