シャインさんはいつもの通り、わたしを見掛けたら挨拶程度に声を掛けてくれる。
 でも、わたしの方がね……問題なんよね。
『わたしの事、気に掛けてくれてますか?』
 一度聞いてみたいけど、胸元でつっかえる言葉。
 夢は見たいよ?
 そりゃ、いくら婆臭いって言われた事があろうが、わたしかて一応ぎりぎり年頃のオンナノコですから。
 でもさ、それって、お互いの為にならなくね?
 シャインさんは誰にでも優しい。
 優しくて頼れて、皆のお兄さんみたいな人。
 ……でもさ、考えてごらんよ?
 誰にでも優しいって事は、誰かを特別扱いなんてしてくれないって事さね。
(気付かないでほしかった)
 ……なんて、シャインさんは思うかな。
 でも、鈍感娘のわたしにまで分かるような事じゃ、隠してる訳でもないのかな。
 あー、もう、まったく!
 頭がグルグルうにうに、ウニになってきた。
 頭の中は常にフルカオス。
 わたし自身にも、把握なんてできっこない。
 でも、シャインさんは優しいから、きっとわたしのこの状態に気付いたら何らかの手を打ってくるだろう。
 ……既に打たれてる可能性もある。
 んで、わたしが気付かずに一人で踊り狂ってる可能性のが高い。
 気付かないでほしかった、なんて思ってるのは本当はわたし?
 あああああ、もう、訳わからん!
 一つ確実なのは、こんな事考えてるなんて、他の人に知られちゃ色々ヤバいって事か。




 せめて、人前では、能天気に笑っていたい。
「ひだまりにわらう」なんていうのが理想かな。
 グダグダ悩むのは、日陰で……できれば誰もいないところでやるので十分。


* * *

シャイミレへのお題:胸元でつっかえる言葉/(気付かないでほしかった)/ひだまりにわらう http://shindanmaker.com/122300



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