怖い話。
怖い話?
ありますよー。
えーとですね、わたしがチャンピオンを蹴ってトンズラこいた事になってる裏で、実はこんなに怖い目に遭ってたんだ!ってネタで良ければ。
あのぉ、神隠しって信じます?
いやぁ、あの時は突然周りが真っ暗になったから、わたし停電が起こったのかと思ってたんですよ。
そしたらですね、闇に浮かぶ、一対の赤い眼!
……珠ちゃん、怖いんなら話すのやめんで?
シャオさん、怖い話をするのが目的だからって……嫌がられるんだったらわたし遠慮したいんですけど……。
え、続けるんですか。
はぁ、確かにわたしからこの話をした事はないですけど……。
珠ちゃん、何なら耳塞いどいてやで。
あれ、シャインさんも耳塞ぎますか。
シャオさーん、やっぱり続きは止めときませんか?
……うげ、続けちゃって良いんですか、鬼ですね……。
まぁ、それで、赤い眼をした何かが、こう、上下にゆ~らゆらと揺れながら、近付いてくるわけですよ。
しかも、何か、冷気めいたものまで漂ってくるし!
これはどう考えてもお化けフラ……。
ごめんやって珠ちゃん!
もうお化けなんて言わんから……。
うん、耳痛かったけど、ま、自業自得やしなぁ。
んで、続けちゃいますと、ソイツが周りの冷気ごとわたしを一呑みにしようとしてきたわけですよ。
こっちまで寒くなってくるし、凍えて悴んで歯の根は合わんしカタカタ自分の音が煩いし。
そりゃ、逃げる努力はしましたよ?
努力はしたんですけど、ほら、周り真っ暗でしょ。
腰はとっくに抜けてたんですけど、まぁ這いずる様に手探りで逃げるしかなくてですね。
そんな中で明らか上手く動けなかった運動音痴の人間が化け物から逃げ切れるわけもなくてですね……。
こう、つま先から足の先からどんどん感覚が……。
食べられたのかって聞かれたら、喰われちゃったんじゃないのかな、って答えたいですね。
わたし、自分が死んだって思いましたもん。
んで、気付いたらアレですよ。
再びワカバタウンにてぶっ倒れてるのを発見されてたわけです。
わたしからしたら、殿堂入りの部屋から何をどうしたらワカバタウンに着くのか……。
てか、どうしてわたしはまだ生きてるのか……。
そんな訳で、別に好きでトンズラこいたんじゃありません!
神隠しに遭ってたんです!
てなもんやさんで、個人的にはこれがわたしのできる怖い話なんですけど……。
楽しめましたか?
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