「あー……姉ちゃんどこ行ったんだ。明日会議だってのに何で迷子になるかな。」
ふぁあと欠伸をして、腕に抱えたシン……姉ちゃんから受け取ったブラッキーを抱きしめる。
シャインが捜そうとしたけど、貧血で倒れたから俺が捜す派目になった。
まぁ姉ちゃんに会えるし俺は構わないけど。
……シャインが倒れた時、付近に雪弥さん居たんだよなぁ。
今ごろ絶対零度の看病か…うわ、怖い。
そんな恐ろしい光景を想像して、頭を振ってそれを消す。
恐ろしい事は考えない想像しない。これが一番。
それに今の俺の仕事は姉ちゃん探すことなんだし。
多分この辺りにいると思うんだけどなぁ。
コガネシティからエンジュに向かう道中、人っ子一人見逃さないように視線を配る。
そして、草むらの影で誰かが動いたのを発見した。
いや、それが俺が捜してる姉ちゃんじゃない、って事は分かっている。
姉ちゃんだったらあんな影が小さくないだろうし。
少しその場に止まって、じーっとその影を見る。
ガサッと音がして、目を見開いた。
白い帽子に茶色の二つ結びの女の子。……あぁ、彼女は。
「ミレイちゃんだ。」
「はい？」
うん、やっぱりミレイちゃんに間違いない。
自分が呼ばれたことが気になるのか、辺りを見回すミレイちゃんにさっきより大きめの声をだす。
ようやく視線があって、軽く手を振るとその場でお辞儀された。
あぁやっぱり礼儀がちゃんとしてる子だなぁ。
軽く微笑んで、柵を乗り越えて草むらに入る。
姉ちゃんにあんまり草むらに入るなって言われてるけど、今シンにルージェいるし。
「えーっと、どちら様ですか？」
「あー、俺だけ一方的に知ってたもんな、ごめんごめん。」
「初めまして、ミレイちゃん。俺宝珠アサギって言います。」
「……宝珠って、もしかして珠ちゃんの？」
「そうそう、血は繋がってないけど弟。姉ちゃんがよくミレイちゃんの話しするから一度会ってみたくてつい声かけたんだよな。突然驚かせてごめん。」
「確かに驚きましたけど、でも謝られるほどじゃ…。」
「あ、敬語いらないって！同い年ぐらいだろ？フレンドリーに行こ、な？」
俺がそう言うと、目を瞬きして困ったように笑った。
うん、やっぱり女の子は笑った顔が可愛いよな。
なんて、シャオさんじゃないのにナンパっぽい言い方だよなぁ。
「えーっと、アサギさんはどうしてここに来たんですか？」
「あれ、敬語無くていいって言ったのに。まぁ少しずつ無くなればいいか…。」
「っと来た理由だよな！姉ちゃん捜しに来たんだ、見かけてない？」
「うーん、見てないですね……。」
「そっかー。……移動したのかな……迷子になったらその場で大人しくしててって言ってるのに、まったくもー……。」
ガシガシ頭を掻いて溜息を吐く。
明日の会議重要だから迷子になるなってあれだけ言われてたのに、どうして迷子になるかな…。
どっちにしろ恐らくこの付近にはもう居ないだろう。
……彼女ともっともっと話したかったけど、今は姉ちゃん捜すの優先だし。
まぁいつでも機会はあるし……、その時に取っておけばいいか。
「珠ちゃんと仲いいんですね。」
「そりゃぁ兄弟だし！……でもそう言ってもらえると嬉しいな。」
ヘラリと笑うと、ミレイちゃんも今度は嬉しそうに笑ってくれた。
うん、やっぱり女の子は笑顔が一番一番。
さて、いい加減に姉ちゃん捜しに行かないと。
冗談抜きでシャインが倒れる。
「それじゃぁ俺姉ちゃん捜しに行くから。また会おうな！」
「そうですね、是非また！」
「よっし約束！」
ニッと笑って、ミレイちゃんに手を振ってその場を去る。
少し後ろ髪が魅かれるけど、……姉ちゃん捜さないと明日本当に不味いし。
まぁ、次に話す内容増えたと思って前向きに行こう。
記憶喪失と異世界人
（危険視されてる人間同士、少し話したかったんだけどなぁ。）
（まぁ姉ちゃんが楽しそうにミレイちゃんについて話してる、って事も大きかったけど。）
（……俺の方が危険視されてるからそんな気にするな、って。）
（告げたかったけど、また今度にすればいいか。）
（今度会う時はお互いリラックスして話したいな。）
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そんなわけでミレイちゃんを借りて、珠姫の義理の弟との絡みを書いてみました！←
ミレイちゃんがアサギをどう呼ぶのかちょっと分からなかったので、初対面という事もあり無難な敬語を選択してしまいました、申し訳ないです…（苦笑）
ミレイちゃんより危険視されてるであろうアサギが自由にうろちょろしてる姿見たら、少しは精神的に安心してくれるかなと思ったのですが見事に逆砕しました……。
アサギは、シャインのテンションを高くして珠姫を混ぜた感じです。（意味不
明るくてでも包容力があって周りはちゃんと見て、尚且つ行動的で元気。
初対面の女の子男の子にはちゃん付けと君付けをします。
だから次会った時はミレイ、と呼び捨てに出来たらいいなぁという願望です←
久しぶりのコラボが突然義理の弟との会話になって申し訳ないです。
でも会わせてみたかったのでつい……。
お気に召していただけたら、と思いつつ、ここが違うよという事があったら教えてくださるとありがたいです！
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