あらすじ
喫茶店『フォレスタ』の開店の時間。
「いらっしゃいませ!」
出迎えるのは看板娘のウェイトレス。
「陽介、後で窓を少し開けてくれ」
「はーい、お母さん!」
そんな会話に、初めての客は戸惑うかもしれない。
男の娘、オレっ子、女顔の美大生、紳士、 イケメン女店長がいる喫茶店『フォレスタ』。
そんな楠一家と、周囲の人々が織りなす、 喫茶店の優しい日常の話。
(BOOTH紹介文より)
作者(敬称略)
うらひと
公式などへのリンク
ジャンル・傾向
小説など、Web小説、同人誌あり、通信販売あり、年齢制限なし、短編集、現代物、日常系、光の創作、ほのぼの、個性的、かっこいい、爽やか、癒し系、かわいい、ワクワクする、萌える
和条門語りゾーン
いつのことだったか、うらひとさんの創作について、雨上がりの虹のようだと評したことがあります。そこに綺麗な虹を見せてくれているのだけれど、その足元には実は雨上がりの濡れた地面が広がっているのではないかと、私はそう感じます。足元を掬うとか、そういう意味ではなく、深い思いを持った上で、綺麗な作品を見せてくださっているように思うのです。
喫茶店フォレスタは、紹介文にも記されております通り、個性豊かで優しい家族を中心に展開する現代日常系短編集です。各メンバーに焦点の当てられた章があり、いくつかの短編で構成されています。章の表題になっている人物たちは焦点を当てられてはいますが、そこには他のメンバーとの関わり合いがあり、個性は独りでは成り立たないことを示しているかのようです。
この作品については、うらひとさんの作品の中でも特に強めの幻覚が得られることが知られており、ショップカードが実在するほか、行ってみた空想、二次創作などの話もたまに聞かれます。とか書いている私も、割と強い幻覚を楽しんでいるので、もうお察しくださいと言いますか。いやもう、本当に、常連客になりたいものです……。
他人と違いすぎることに関して、密かに悩んで個性を埋没させようとしている方がいるなら、是非ともこの『喫茶店フォレスタ』を読んでいただき、勇気づけられて欲しいと思います。